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情報処理技術者試験の合格を目指す全受験者のための、1問1問「徹底解説」ブログです。単なる過去問の暗記ではなく、なぜその答えになるのかを本質的に理解できるよう解説します。書籍などでは学べない最新用語やトレンドを踏まえてご紹介します。

【知識:ネットワーク】波を数字に変える!「パルス符号変調(PCM)」|情報処理問題1000本ノック

私たちが普段使っている電話や音楽ストリーミングは、アナログ信号(音の波)をデジタル信号(0と1)に変換することで実現されています。その中核技術であるPCMの3ステップを攻略しましょう。

■ PCM(Pulse Code Modulation)の変換プロセス

アナログ波形をデジタル化する際には、以下の順序で処理が行われます。

1. 標本化(サンプリング / Sampling)

連続的なアナログ波形を、一定の時間間隔ごとに区切って、その時点の値を計測します。
※どれだけ細かく区切るかを「サンプリング周波数」と呼びます。

2. 量子化(Quantization)

標本化で得られた連続的な値を、あらかじめ決めた段階的な整数値(近似値)に当てはめます。
※この段階を細かくするほど、元の波形に近い「高音質」になりますが、データ量も増えます。

3. 符号化(コーディング / Coding)

量子化された数値を、「0」と「1」のバイナリ(2進数)データに変換します。これにより、コンピュータでの処理や通信路での伝送が可能になります。

■ 効率的な変調方式:デルタ変調

通常のPCMは各時点の値をそのまま送りますが、データ量を節約するための応用方式が存在します。

【デルタ変調(Delta Modulation)の特徴】

■ 仕組み
・値をそのまま送るのではなく、「一つ前の値と比較して、大きければ1、小さければ0」という「差分(変化)」のみを記録・伝送する方式です。

■ メリット
・各サンプルを1ビットで表現できるため、構成がシンプルになり、データ量を大幅に抑えることができます。

試験対策の重要ポイント:標本化定理

元の波形を正しく復元するためには、「再現したい最高周波数の2倍以上の速さ」でサンプリングする必要があります。例えば、人間の耳に聞こえる上限の20kHzを再現するために、CDは44.1kHzでサンプリングされています。

※PCMは「映画のフィルム(一瞬を切り取って繋げる)」、デルタ変調は「階段を1段上がるか下がるかだけを指示する」イメージで捉えると、仕組みの違いが理解しやすくなります。

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【ネットワーク】データの正確性を守る!「誤り制御方式」|情報処理問題1000本ノック

通信路ではノイズなどの影響でデータが化けることがあります。これらを検出し、あるいは自動的に修正するための「符号化」の仕組みを攻略しましょう。

■ 通信における誤り制御:ブロック符号と畳み込み符号

データをどのような単位で処理し、冗長な情報(チェック用のデータ)を付加するかによって、大きく2つの方式に分かれます。

方式特徴と処理単位
ブロック符号
(Block Code)
伝送データを一定の長さの「ブロック」に分割し、各ブロックごとに独立して誤り訂正用の符号を付加する方式。
・代表例:ハミング符号、リード・ソロモン符号(CDやQRコードでも使用)。
畳み込み符号
(Convolutional Code)
データをビットの連続した集まりとして扱い、過去のデータとの関連性を持たせて符号を計算する方式。
・逐次的に符号化を行うため、リアルタイム性が高い。
・代表例:ビタビ復号(受信側での判定手法)。

試験対策の重要キーワード

  • FEC (前方誤り訂正):受信側で誤りを見つけるだけでなく、自力で修正まで行う技術の総称です(今回の2つもこれに含まれます)。
  • ARQ (自動再送要求):誤りを見つけた際、送信側に「もう一度送って」と頼む方式(パリティチェックやCRCと組み合わされます)。
  • 検査ビット(冗長ビット):誤り検知・訂正のために、元のデータに付け加えられる「おまけ」のデータのことです。

※ブロック符号は「箱詰めにして各箱にラベルを貼る」、畳み込み符号は「糸を編み込むように前の情報と繋げていく」イメージです。これらを組み合わせることで、さらに強力な誤り訂正能力(ターボ符号など)が実現されています。



【ネットワーク】情報の運び方!「交換方式」の基礎知識|情報処理問題1000本ノック

ネットワークにおいて、送信元から宛先へデータを届けるための「交換方式」には、大きく分けて「回線交換」と「パケット交換」の2つがあります。それぞれの特徴と違いを攻略しましょう。

■ 通信ネットワークの交換方式:回線交換 vs パケット交換

「専用線を使う」のか「データを細切れにして共有する」のか、その戦略の違いがネットワークの設計思想を決定づけます。

方式目的と振る舞い
回線交換
(Circuit Switching)
通信ユーザ間に、エンドツーエンドの物理的な伝送路をあらかじめ占有(設定)する方式。
・設定完了後に実際の通信を行うため、品質が安定する。
・電話網(固定電話)の基本的な考え方。
パケット交換
(Packet Switching)
情報を「パケット」という単位に分割して送る方式。
・交換局で「蓄積・交換」を繰り返し、次々とノードを渡り歩いて宛先へ届く。
・インターネット通信の現在の主流。

試験対策の重要キーワード

  • 回線交換のメリット:遅延や品質が一定で、リアルタイム通信(通話)に最適。ただし、回線を占有するため効率が悪くなることがある。
  • パケット交換のメリット:多くのユーザで回線を共有できるため、非常に効率的。データ量に応じて柔軟に伝送できる。
  • 蓄積交換機能:パケット交換において、交換機が一度パケットを受け取り、バッファに「蓄積」してから次の経路へ「転送」する仕組みのことです。

※回線交換は「道路を貸し切る」、パケット交換は「トラックで小分けにして配送する」イメージです。現代のネットワークは、パケット交換による高効率な通信が基盤となっています。


【ネットワーク】情報を電波に乗せる!「変調方式」の仕組み|情報処理問題1000本ノック

デジタルデータである「0」や「1」の信号を、遠くへ飛ばすための電波(アナログ波)に変換する技術を「変調」と呼びます。通信の基本となるこの仕組みを整理しましょう。

■ 信号を運ぶ仕組み:変調と搬送波

情報を載せて運ぶための電波のことを搬送波(キャリア)と呼びます。この搬送波の性質(振幅、周波数、位相)を変化させることで、情報を表現します。

変調方式特徴と振る舞い
振幅変調 (AM / ASK) 信号の変化を振幅(波の大きさ)の変化に置き換える方式。デジタル(ASK)では、振動の「あり・なし」で0と1を表現します。
周波数変調 (FM / FSK) 信号の変化を周波数(波の密度)の高低に置き換える方式。デジタル(FSK)では、周波数の切り替えで0と1を表現します。
位相変調 (PM / PSK) 信号の変化を位相(波のタイミング)の変化に置き換える方式。デジタル(PSK)では、0から1(またはその逆)へ変わる際に位相を変化させます。

試験対策の重要キーワード

  • アナログ変調(AM/FM/PM):主にラジオ放送などのアナログ通信で使われる基本方式です。
  • デジタル変調(ASK/FSK/PSK):コンピュータのデジタル信号(0/1)を、電波の物理的な変化にマッピングする方式です。
  • QAM(直交振幅変調):振幅と位相を組み合わせて、一度により多くのビットを運ぶ高度な方式。Wi-Fiなどで広く使われています。

※変調は「送る側」、元の信号に戻す「復調(デモジュレーション)」は「受ける側」の役割です。この両方を行う装置が「モデム(MOdulator-DEModulator)」の名前の由来となっています。