【コンピュータシステム】データのデジタル切替スイッチ!「マルチプレクサ」|情報処理問題1000本ノック
CPUの内部では、無数のデータが目まぐるしく行き交っています。それらのデータが衝突しないように、必要な信号だけを1つに選別して通り道を作る「マルチプレクサ」の仕組みを攻略しましょう。
1. 【 問題 】:コンピュータ構成要素(プロセッサの内部回路構造)
【 問題 】 CPUの内部やデータ通信回路などで用いられる論理回路に関する記述です。複数の入力信号の中から、「選択信号」と呼ばれる制御信号を使ってどれか1つの入力信号だけを選び出し、単一の出力線へと送り出す(多入力・1出力の)役割を持つ、データ選択・切替用の論理回路を何と呼ぶでしょうか?
1. マルチプレクサ(MUX)
2. デマルチプレクサ(DEMUX)
3. エンコーダ(符号化器)
4. デコーダ(解読器)
2. 正解:
正解: 1. マルチプレクサ(MUX)
3. 解説:「たくさんの中から1つだけ選ぶ」交通整理のプロ
マルチプレクサ(Multiplexer)は、複数の入力から1つの出力を得る「データ選択回路」です。
例えば「4つのデータ入力」があるマルチプレクサの場合、どれを出力するかを決めるために「2ビットの選択信号」を与えます。選択信号が「00」なら1番目のデータを、「11」なら4番目のデータを出力する、というように機械的にスイッチを切り替えます。CPU内では、複数のレジスタの中から「次に計算に使いたいデータ」を演算装置(ALU)に送り出すための切り替えスイッチとして不可欠な存在です。
| 回路の名称(略称) | 入力と出力の数 | 具体的な動き・機能 |
|---|---|---|
| 1. マルチプレクサ(MUX) | たくさん(多) 入力 ↓ 1つ(単一) 出力 |
複数のデータの中から、選択信号で指定された「1つだけ」を選んで出力する。 |
| 2. デマルチプレクサ(DEMUX) | 1つ(単一) 入力 ↓ たくさん(多) 出力 |
1つのデータを、選択信号で指定された「どれか1つの出力先」へ振り分ける。 |
※ 3. エンコーダは多くの線を少ない線にまとめる回路、4. デコーダはCPUの命令などを解読して実行信号を作る回路です。
1. 理解のコツ: 「電車の線路のポイント(分岐器)」や「テレビのリモコン」を想像してください。
・テレビには「地デジ」「BS」「CS」「HDMI1」「HDMI2」など、たくさんの映像信号(複数の入力)が届いています。しかし、テレビの画面は1つ(単一の出力)しかありません。
・あなたがリモコンのボタン(選択信号)を押すと、テレビ内部のスイッチが切り替わり、選んだ番組の映像だけが画面に映し出されます。この「たくさんある中から、指定された1つだけを繋ぐスイッチ」の役割をデジタル回路で実現したものがマルチプレクサです。CPUの中では、これが1秒間に何十億回という爆速でパチパチと切り替わっています。
2. 試験対策の視点: コンピュータのハードウェア分野や、電子回路の基礎を問う問題として非常に高い頻度で出題されます。問題文の中に「複数の入力から1つを選ぶ」「データ選択回路」「選択信号によって出力を切り替える」という記述があれば、ノータイムでマルチプレクサを選択してください。
試験の最大の引っかけは、名前がそっくりな「2. デマルチプレクサ」とのあべこべパターンです。頭に「デ(De-)」がつくと「逆、分離」という意味になるため、「1つをたくさんに分けるのがデマルチプレクサ、たくさんを1つにまとめるのがマルチプレクサ」と、矢印の向き(入口と出口の数)をカチッと頭の中で整理しておくことが、失点を防ぐ強力な防御策になります。
4. まとめ
「複数の入力信号のルートから、制御用の選択信号を使って特定の1つの信号だけを選別し、単一の出力先へと流す組合せ論理回路」。これがマルチプレクサです。CPUがデータを正しく仕分けるための基本メカニズムとして、その役割をしっかり記憶しておきましょう!