【システム構成】「いつでも動いている」を数値化する!「可用性」の指標|情報処理問題1000本ノック
システムがどれだけ壊れずに働き続けられるか。システムの信頼性を測る最重要モノサシであり、午前試験の計算問題の主役でもある「可用性」を攻略しましょう。
1. 【 問題 】:システムの信頼性指標と可用性
【 問題 】 コンピュータシステムの信頼性設計において、システムが「全体としてどれくらいの期間(または割合)、中断することなく正常に稼働し、利用可能な状態を維持できているか」を表す指標(稼働率)はどれでしょうか?
① 機密性 (Confidentiality)
② 保守性 (Maintainability)
③ 可用性 (Availability)
④ 信頼性 (Reliability / 狭義の信頼性)
2. 正解:
正解: ③ 可用性(アベイラビリティ)
3. 解説:「故障しない時間」と「修理にかかる時間」のバランス
システム構成の分野において、システムの稼働状態を評価する指標を「RASIS(レイシス)」と呼びますが、その中核をなすのが可用性(アベイラビリティ)です。一般的には「稼働率」という言葉で計算されます。
・定義:ユーザーがシステムを使いたいときに、いつでも「利用可能(Available)」である割合のことです。 ← ココが問題の正解!
・試験での実戦計算(稼働率の公式):
午前試験では、システムが故障せずに動いていた平均時間であるMTBF(平均故障間隔)と、故障してから修理が完了するまでにかかった平均時間であるMTTR(平均修理時間)を使って、可用性(稼働率)を以下の式で計算させます。
$$ 稼働率(可用性) = \frac{\text{MTBF}}{\text{MTBF} + \text{MTTR}} $$
つまり、「全体(運用時間+修理時間)のうち、ちゃんと動いていた時間(MTBF)がどれだけの割合を占めるか」を算出したものが可用性の正体です。
★ ① 機密性:セキュリティの概念であり、許可された人だけがデータにアクセスできる性質を指します。システム構成の信頼性指標(RASIS)の枠組みとは異なります。
★ ② 保守性:システムが壊れた際、どれだけ「簡単かつ短時間で修理・メンテナンスできるか」という直しやすさの指標です(MTTRを短くすることに直結します)。
★ ④ 信頼性(狭義):システムが「そもそも故障を起こさないこと」そのものを指す指標です(MTBFを長くすることに直結します)。これに対して「可用性」は、故障しても超特急で直せば(MTTRをゼロに近づければ)指標が高くなるという、全体の稼働率に焦点を当てた概念です。
1. 理解のコツ: 「営業しているお店」に例えてみましょう。
・24時間営業のコンビニが、1ヶ月(720時間)のうち、棚卸しやシステムの不具合で合計7.2時間だけお店を閉めていた(利用できなかった)とします。残りの712.8時間は元気に営業していました。このときのお店が開いていて利用できた期間の割合($$ 712.8 \div 720 = 99\% $$)こそが、システムの可用性です。これが100%に近いほど、ユーザーにとって「いつでも使える頼もしいシステム」になります。
2. 試験対策の視点: 「どれくらいの期間、利用できる必要があるか」「稼働し、利用可能な状態を維持できている度合い」というフレーズがあれば「可用性(稼働率)」が一択です。ITパスポートから基本情報、応用情報の午前試験において、「2台のサーバーを並列(並列システム)に繋いだときの全体の可用性(稼働率)を求めよ」といった、確率の掛け算・引き算を使うゴリゴリのシステム計算問題のすべての前提となる超重要用語です。
4. まとめ
「システムが故障に負けず、ユーザーのためにどれだけの期間、実際に働き続けられるかというトータルの稼働割合(稼働率)」。これが可用性です。この数値を極限まで引き上げる(例えば99.999%にする)ために、私たちはサーバーを二重化(フォールトトランス)したり、壊れた部分を切り離して運転を続けたり(フェールソフト)するシステム構成の技術を必死に設計しているのです。