【システム構成】あらゆる人にデジタルを届ける優しさ!「アクセシビリティ」|情報処理問題1000本ノック
年齢、身体的な特性、利用環境の壁を越えて。すべての人が不自由なくシステムを利用できる使いやすさの指標「アクセシビリティ」を攻略しましょう。
1. 【 問題 】:システム・ソフトウェアの品質特性(アクセシビリティ)
【 問題 】 システムやWebアプリケーションなどのアーキテクチャ品質特性において、高齢者や障害のある人、あるいは一時的に身体的な制約(怪我など)がある人を含めた「あらゆるユーザー」が、どのような身体的状況や利用環境(デバイス、通信速度など)であっても、提供される機能や情報に支障なくアクセスし、問題なく利用できる度合い(アクセスの容易性)を表す言葉はどれでしょうか?
① アクセシビリティ (Accessibility)
② アベイラビリティ (Availability / 可用性)
③ アカウンタビリティ (Accountability / 説明責任)
④ ロバストネス (Robustness / 堅牢性)
2. 正解:
正解: ① アクセシビリティ (Accessibility)
3. 解説:「特定の人に最適化する」のではなく「全員を排除しない」設計
システム開発において、目が見える人・耳が聞こえる人・パソコン操作に慣れている人「だけ」が使えるシステムを作るのは片手落ちです。多様な人々が等しくデジタル社会の恩恵を受けられるようにする品質がアクセシビリティです。
・視覚のサポート:目が不自由な人や高齢者のために、画面の文字を自動で読み上げる「スクリーンリーダー(音声読み上げソフト)」が正しく文章を認識できるように、HTMLの画像タグに説明文(alt属性)を必ず記述したり、色のコントラストをハッキリさせて見やすくしたりします。
・操作のサポート:手が不自由でマウスを細かく動かせない人のために、すべての操作をキーボードの「Tabキー」と「Enterキー」だけで完結できるように制御フローを設計します。 ← ココが問題の正解!
★ ② アベイラビリティ(可用性):以前学びましたね。システムがトラブルで止まることなく、ユーザーが使いたいときにいつでも「稼働している」割合のことです。システム側の生存率を指します。
★ ③ アカウンタビリティ(説明責任):システムや組織の運用において、その動作結果やセキュリティ事故が起きた原因などを、外部に対して明確に「説明・証明できる状態」にしておく性質です(監査ログの取得などがこれに当たります)。
★ ④ ロバストネス(堅牢性):前々問の主役です。想定外の異常なデータやエラーが発生しても、システムが突然クラッシュせずに安全に対処できるタフさのことです。
1. 理解のコツ: 「公共の建物や駅の設計」に例えてみましょう。
・階段しかなく、目が眩むような派手な色の看板ばかりの駅は、車椅子の人や高齢者には利用できません。
・そこに『エレベーターを設置し、床に点字ブロックを敷き、誰でも迷わず切符が買える券売機を置く』。このように、利用者の身体的なハンディキャップを取り除いて誰でもウェルカムな状態にする優しさこそがアクセシビリティです。似た言葉に「ユーザビリティ(一般的な使いやすさ)」がありますが、アクセシビリティは特に「幅広い人、幅広い環境で使えること(=利用者のスタートラインを揃えること)」を重視します。
2. 試験対策の視点: 「高齢者や障害のある人」「あらゆる環境や身体的状況」「アクセスし利用できる度合い」という記述があれば「アクセシビリティ」が一択です。ITパスポートから基本情報、応用情報の午前試験において、UX(ユーザーエクスペリエンス)デザインやWebサイトの非機能要件、JIS規格(JIS X 8341)に定められた「ウェブアクセシビリティ」の基準を問う問題として非常に高い頻度で出題される必須用語です。
4. まとめ
「ユーザーの年齢、障害の有無、使用するデバイスなどの制約に関わらず、すべての人が情報や機能を平等に、かつスムーズに利用できるように配慮されたシステムの親切さ・アクセスのしやすさ」。これがアクセシビリティです。近年では公的機関だけでなく、企業のシステムやサービス開発においてもコンプライアンス(法令遵守)や国際基準として、絶対に欠かすことのできない重要なアーキテクチャ特性となっています。