【ネットワーク】ルーターの身代わりマジック!「VRRP」による冗長化|情報処理問題1000本ノック
ネットワークが24時間365日、絶対に止まらないようにするための工夫。複数台のルーターを合体させて「1台の仮想ルーター」を生み出すプロトコルを攻略しましょう。
1. 【 問題 】:ネットワーク機器の冗長化プロトコル
【 問題 】 ネットワークの信頼性を高める技術において、同一のローカルネットワーク内に配置された複数台の物理的なルーター(またはレイヤー3スイッチ)をグループ化し、外部からは「1台の仮想的なデフォルトゲートウェイ(ルーター)」として認識させることで、機器の故障時にも自動的に経路を切り替えて通信を維持するためのプロトコルはどれでしょうか?
(ア)VRRP (Virtual Router Redundancy Protocol)
(イ)VRF (Virtual Routing and Forwarding)
(ウ)VSS (Virtual Switching System)
(エ)VLAN (Virtual Local Area Network)
2. 正解:
正解: (ア)VRRP(Virtual Router Redundancy Protocol)
3. 解説:「代表者」が倒れても、チームでカバーする
ネットワークの出口にあるルーターが1台きりだと、それが壊れた瞬間に社内全員がネットに繋がらなくなってしまいます。そこでルーターを2台並べ、VRRPというプロトコルで連携させます。
1. 物理的な「ルーターA」と「ルーターB」を用意します。
2. VRRPを使うと、この2台のうえに共通の「仮想IPアドレス」を持った1台の仮想ルーターが浮かび上がります。社内のPCには、この仮想ルーターの住所を登録しておきます。 ← ココが問題の正解!
3. 普段は、主役の「マスタールーター(例:A)」が仮想ルーターの身代わりとしてすべての通信をさばきます。
4. もしルーターAが壊れたら、相方の「バックアップルーター(例:B)」がそれを即座に察知し、仮想ルーターの役割(IPアドレス)をそのまま引き継ぎます。PC側は何も設定を変えることなく、通信が維持されます。
★ (イ)VRF:VRRPとは真逆で、1台の物理ルーターの内部に、完全に独立した「複数の仮想的なルーティングテーブル(ルーター環境)」を作り出す技術です。
★ (ウ)VSS:Cisco社などの独自技術で、2台の物理スイッチを仮想的に「1台の巨大なスイッチ」として統合し、帯域や管理を一本化する仕組みです。
★ (エ)VLAN:スイッチ(ハブ)の内部を仮想的に分割し、物理的な配線に関わらず、複数の独立したローカルネットワーク(セグメント)を構築する技術です。
1. 理解のコツ: 「会社の問い合わせ窓口」に例えてみましょう。社外には「support@〜」という1つの代表アドレス(仮想ルーター)だけを公開しておきます。普段は担当者のAさん(マスタールーター)がそのメールを処理していますが、Aさんが風邪で休んだら(故障)、隣のBさん(バックアップルーター)が同じ代表アドレスのメールを引き継いで処理します。外から見れば、中の人が入れ替わったことに気づかず、常に1つの窓口が機能しているように見える。これがVRRPの魔法です。
2. 試験対策の視点: 「複数台の物理ルーターを1台の仮想的なルーターとみなす」「プロトコル」という文字が躍ったらVRRPが一択です。基本情報や応用情報の午前試験では、デフォルトゲートウェイの冗長化(可用性の向上)に関するネットワーク分野の定番問題として君臨しています。
4. まとめ
「ネットワークの門番(ルーター)を複数台のチームにし、共通の仮想IPアドレスを持たせることで、機器トラブル時にも一瞬で身代わりが通信を継続するプロトコル」。これがVRRPです。現代の企業のネットワークインフラやデータセンターにおいて、通信の『絶対死守』を実現するために不可欠な標準技術となっています。