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情報処理技術者試験の合格を目指す全受験者のための、1問1問「徹底解説」ブログです。単なる過去問の暗記ではなく、なぜその答えになるのかを本質的に理解できるよう解説します。書籍などでは学べない最新用語やトレンドを踏まえてご紹介します。

【企業経営】経営の「不信」が生む損失!「エージェンシーコスト」|情報処理問題1000本ノック

株主と経営者の関係、あるいは親会社と子会社の関係。お互いの「情報の格差」が原因で発生してしまう、企業経営上の目に見えない損失(コスト)を攻略しましょう。

1. 【 問題 】:コーポレートガバナンスと組織のコスト

【 問題 】 企業の所有者(株主など)と経営担当者との間で、持っている情報量や専門知識の格差(情報の非対称性)が存在することにより、経営者が自己の利益を優先した行動をとったり、それを防ぐための監視や利害調整が必要となったりします。このように、情報の非対称性のために企業価値が低下(ロス)する分のコストを何と呼ぶでしょうか?

① エージェンシーコスト(代理人費用)
② サンクコスト(埋没費用)
③ トランザクションコスト(取引費用)
④ オポチュニティコスト(機会費用)

2. 正解:

正解: ① エージェンシーコスト(代理人費用)

3. 解説:「任せきり」にできないからお金がかかる

エージェンシーコスト(Agency Cost)は、仕事を依頼する人(プリンシパル=株主など)と、実際の作業を代理で行う人(エージェント=経営者など)との間に横たわる「情報の非対称性(片方しか実態を知らない状態)」から生まれるコストです。

【エージェンシーコストの内訳と発生理由】

このコストは、主に以下の3つの費用の合計から成り立っています。

1. 監視費用:株主が、経営者がサボったり不正をしたりしていないか見張るために、外部の公認会計士に監査を依頼する費用など。
2. 絆証(しょうせい)費用:経営者側が「私は絶対に不正をしていません」と株主に証明・報告するために、わざわざ資料を作ったり説明会を開いたりする費用。
3. 残余損失:上記の手策を尽くしても、情報の非対称性をゼロにすることはできないため、経営者が「会社の金で高級車を買う」といった自分ファーストな行動をとることで、本来得られたはずの企業価値が目減りしてしまう分の損失。← ココが問題の核心!
[ 選択肢のひっかけポイント(すべて超頻出の〇〇コスト) ]
★ ② サンクコスト:過去に支払ってしまい、今後どのような選択をしても二度と戻ってこない費用(未練を残してはいけない費用)のことです。
★ ③ トランザクションコスト:市場で取引を行う際にかかる、情報収集や交渉、契約締結のための事務的な手間のことです。
★ ④ オポチュニティコスト:ある選択肢を選んだことで、「もし別の選択肢を選んでいたら得られたはずの、最大の利益(見えない損失)」のことです。

1. 理解のコツ: 「リフォーム業者(エージェント)に留守中の自宅の工事を任せる施主(プリンシパル)」をイメージしてください。施主は建築のプロではないし、現場にずっといられない(情報の非対称性)ため、「手抜き工事をされるかも」と不安になります。そこで、わざわざ「別の専門家にチェックを依頼する(監視費用)」ことになります。この、お互いが全てを見通せない(不信・格差)がゆえに余計にかかってしまう社会的な損失エージェンシーコストです。
2. 試験対策の視点: 「情報の非対称性」「企業価値が低下する分のコスト」「プリンシパル・エージェント理論」という文脈が出たら、エージェンシーコストが一択です。ITストラテジストなどの試験では、株主と経営者だけでなく、「親会社とIT子会社」「発注元企業とベンダー企業」の間で起きる問題としてもこの言葉が使われます。


4. まとめ

「情報の格差や利害の一致しない関係によって、お互いを見張ったり証明したりするために発生する企業価値のロス」。これがエージェンシーコストです。これをいかに抑えて健全な経営を行うかが、社外取締役の導入やディスクロージャー(情報公開)といった「コーポレートガバナンス(企業統治)」の最大の目的となっています。



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